木村 智映「パソコン、スマホ...」その1
パーソナルコンピューター、すなわちパソコンという存在が世界を大きく変えました。
複雑な計算を一瞬にして解く
「計算」
大量の文書を一瞬で編集、複製する
「文書作成」
使ったことも無い楽器の音で曲を作る
「作曲・演奏」
何色でも、どんなに精密な線でも描ける
「作画」
こんな事が誰でもできるのですから、もはやパソコンの無い世界など考えられません。
...否、パソコンの普及率は緩やかに減少しているのです。
何故減ったかはご存知の通り、今皆さんが見ているであろうそのスマートフォンやタブレットの普及が一因だろうと考えられます。
と、この様に私達は
情報処理装置=デバイス
が置き換わることによってその便利さを享受して、何かを作り上げてきました。
人類の歴史を辿ると、デバイスと記録技術の変化の歴史を見ることもできます。
紀元前3万年頃:壁(画)
紀元前3前年以前:粘土板、パピルス(文字)
紀元前1300年以降:青銅器、木簡・竹簡、羊皮紙...etc
200年頃:紙
700年頃:木版印刷
(1500年頃:鉛筆)
1820年代:写真(光)
1877年:レコード(音)
1926年:映画フィルム(音+光)
1956年:ハードディスク(デジタル)
....など。
壁に画を描いて残していた記録は、今はスマホをポチポチしてインスタに上げる様に進化(?)したんですね。
そしてほぼ全てのデバイスの扱いには技術を要し、画家、書道家、写真技師、音響技術者など様々な形で専門家が存在します。
優れた視覚や聴覚を持ち、精密に指先や身体を操り、優れたその感性をさらに増幅させる物として、デバイスを用いていたのがその専門家達です。
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われわれはまず何よりも自然を見る眼を養わなければならぬ。これなくしては、よい芸術は出来ぬ。これなくしては、よい書画も出来ぬ。絵画然り、その他、一切の美、然らざるなしと言える。
(芸術家:北大路魯山人)
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朝、目が覚めたらバルコニーから青空を撮る。
眼を磨くんだよ。毎朝歯を磨くみたいに。
(写真家:荒木経惟)
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音楽とは、精神と感覚の世界を結ぶ媒介のようなものである。
(作曲家:ベートーヴェン)
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人選がヤバめですが(笑)
身体を大切にしているのが言葉の慎重さから伝わってきます。
どんなデバイスを用いても、極める程に感覚が大切になるし身体が大切になるんですね。
しかし、今はどうでしょうか....。