井上 雄 「健康」その1

トレーナー 井上  


6月のテーマ「健康」


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健康とは何でしょうか?


健康とは長生きするもの。


幼少期のときの自分はそれが健康というものだと思っていました。



 幼少期に病弱だった自分は病院に入院しながら養護学校で学校に通う生活を1年近く行っていました。

病院には当時の自分と同じ子供から、ご年配の方まで入院していました。当時病棟は3つに分かれており第1第2病棟は幼年から高校生ぐらいの養護学校に通う必要のある子たちが入院しており、第3病棟にはご年配の方が入院していました。


第3病棟は長生きをしているご年配の方がたくさんいらっしゃいましたが、四肢がまったく動かなくなり寝たきりになる方や、車椅子生活を余儀なくされている方が多くいました。歩いたり、立ち上がったり、横になったりするのにも人の手を借りなければいけない方が多くいました。


母が働いている介護施設でも同じような方がたくさんいました。


「長生きしているから健康かと言われるとそうではないよ。」と母に言われた言葉で当時、子供ながらに健康に対する考え方が変わりました。


 

自分が病気だったため、小学校の6年間は走ったりなどの激しい運動はほとんど禁止されており、体育の授業も見学がほとんどでした。

その影響か、運動やスポーツができる人への憧れから、これが健康かというイメージをもちました。


運動やスポーツができる人が健康という基準で見ていたので、トップアスリートと言われている方の常人離れしている身体能力の高さと、筋骨隆々の身体は健康体そのもの!という自分の中の健康という価値観が固まりました。



しかし、その考えも少し違うものだと感じてきたのは、自分が空手の選手としてまだ現役で試合をしていた20代半ばぐらいの時です。


幼少期の時と比べると体力はつき、身体も明らかに変わり、全てにおいて自信がなかった自分が空手を始めた事で、少なからず自分に自信がつき、以前よりは心の部分でも強くなった感じがありました。 


これはまさに小さい時に自分が描いた健康体の理想像だと思っていました。


しかし、、

選手であるがゆえに、試合で勝利を得るために、稽古の負荷を高めて稽古する事も多くなり、結果としてそれが怪我につながり、(今を思うと自分の稽古の下手さが怪我に結びついたと思っています)

強さと引き換えに身体をボロボロにする矛盾さを感じました。


しかし、怪我はつきものでありずっと上手く付き合っていかなきゃいけないものなのだと思っており、当時はそれも武道修行の一環だと飲み込んでいました。


20代半ばから10年以上の月日が流れ、フィットネスの世界に入り、色々学び、今までとは違う視点から自分が学んできた空手を見つめ直してみたら、


上記の考えは否です。



月日が流れた時間の中で、極真空手の黄金時代を支える最前線で戦っていた選手の方は、自分が知っているかぎり50代~70代で数名の方が亡くなりました。


その中でも1番のご年配が70歳。

今のこの時代で、70歳は早すぎるとも思いますし、50歳なら尚更です。


亡くなっている方だけではなく、ご存命で往年の選手も今では足を引きずっていたり、杖をついていたり、脳梗塞で半身不随になっていたり、人工透析を余儀なくされている方など、たくさんいます。


当時は普通の一般人を遥かに凌ぐ体力をもちながら、晩年は普通の方以下の体力に落ちる。。。


身体にガタがきてしまい、日常生活に支障が出てしまう稽古は武道の稽古とは程遠いと思っています。

なぜなら健康と武道とは両立しているものだと思っているからです。



ではあらためて、

健康とは・・・?





次回に続きます

(今週中に配信致します。)