木村 智映 「好きなプログラム、メソッドvol.1」その1
私が所持しているいくつかの資格の中では、
【ピラティス】
が好きで、現場でもメインで使う指導法となっています。
考案者であるJoseph Hurbertus Pilates(1883-1967, ドイツ)
は、第一次世界大戦の際に多くの傷病兵のリハビリテーションに関わったといいます。
その時の運動指導が、現在広く認知されている「ピラティス」の原型であり
Pilatesさんは「コントロロジー」と名付けて発信していました。
(名前が「コントロロジー」から変わったのは、Pilatesさん没後のこと。)
「俺の言う通りに運動すれば世界中の誰もが健康になるゾ!」
という、男らしさ全開のPilatesさんですが、
実際に世界中に普及したのは彼亡き後。
ゴリ押しするもなかなか広まらないストレスからか、
彼の死因はタバコの吸いすぎによる肺気腫とは、皮肉なものです。
話が逸れましたが、ピラティスの基本原則
(""内はPilatesさんの言葉)
1.コンセントレーション
"エクササイズをする際は、常に正しい動きができるように集中して行うこと"
2.コントロール
"筋肉は自身の意思に従って動くことが理想的です。筋肉の反射運動によって、運動を支配されるべきではありません。コントロロジーは、意識が筋肉をコントロールすることから始まります。"
3.センタリング
"全ての動きは安定した体の中心から作られます。"
4.フロー
"コントロロジーとは、体が猫の様にしなやかな動きとなるように、筋肉と靭帯を柔軟にし、引き伸ばすことである。"
5.プリジション
"知識を犠牲にしてまで、結果を求めてはいけません"
6.ブレス
"呼吸とは、生を受けて最初に行う行為であり、そして生が尽きるその時まで行う行為である"
"息を吐くときは、肺の中がまるで真空状態になるように、さらに肺から全ての空気が無くなるまで絞り出していくように"
7.リラクゼーション
"リラクゼーションとは緊張することなく動きを習得する事"
8.スタミナ
"筋疲労は、身体に対する"毒"の一つである。"
以上はPilatesさんの著書"Return to Life Through Contrology"のなかで述べていたコントロロジーの原則であり、PHIピラティス(ピラティス団体の一つ)の教本にもこの8つが書いてあります。
(実は本人は言っていない。原則は本人が亡くなってから弟子達が作った。など諸説ありますが今はその話は置いておきましょう。)
これらの原則によって、
・脊柱の安定
・脊柱の分節的可動性の獲得
・四肢や体幹の正中化
・肩甲帯、骨盤帯の安定
・体幹に対する四肢の分離運動
が可能になるとしている。
実際にエクササイズを実施すると
"背が伸びて身体が軽くなる"様な実感もありました。
Pilatesさんが天国から「ほら見たことか!」と言っているかもしれません。
そもそもPilatesさんがこのメソッドで獲得して貰いたいものは「コントロロジー」の名の通り
"身体をコントロールする力"
なのです。
すなわち意思の元で自在に操る能力。
これは、元々病弱だったPilatesさんが
体操やボクシング、ヨガなどを通して
「どうやったら健康になれるのか」
という強い意思から生まれたメソッドなので、
原則やPilatesさんの発言からも
「健康なんて、自分の支配(コントロール)の元に操ってやるゾ!」
というギラギラした熱意に満ち溢れているように感じ....ますよね。