木村 智映 「プロフェッショナル」その2

技術者として
他人がやらないような事もやってのけて
世界的メーカーへと成長させた本田宗一郎氏。
「社会の為に、技術がある」
が信条だったといいます。

社長として
ある時から、他の競合メーカーへの対抗心が強まり
「これでビッグ3に追いつくぞ」
部下を鼓舞するためにこう言ったそうです。
しかしこれが信条に反しているという事で
社内の技術者から不満の声が上がったのでした。
「会社の為の、技術なのでしょうか」

間違いがあったかは分かりません。
しかし、プロフェッショナルというものへの
考え方の相違はあったのかもしれません。

満足した訳ではなく
次の一手を怠った訳でもない

会社の為に出来ることをやり
他社にないこだわりの技術を磨きあげる。
でもそれが現場の不満に繋がり
"引退"という決断に到らせたのです。





中高6年間
剣道において私は
「居着き」
から脱却する事は出来ませんでした。

居着くというものの正体が
一体何なのか分からなかったのです。
身体は動いていると思いました。
稽古ではこれ以上はないほど誰よりも動き続けました。
部員にもそれを求めて接しました。
「無駄に真面目で厳しい」
これが私への評価です。

でも勝負を制することが出来ないのです。
なぜなのか。

答えは単純です。
動いていませんでした。
「動き」というものを
そもそも勘違いしていたのです。

食事をしている様で
食事はできていないし
動いている様で
動いていない

勘違いに気が付かずに重ねた努力。
6年間変われなかったのも当然ですね。
どんなに続けようと
強くなれるはずがありません。

私は成長が無いまま、現役を引退しました。





"満足"

皆さんにはそんな経験はありますか?
もうそれ以上は必要ない程
満ち、そして、足りている。

それが本当の満足か、考えたことはありますか?
勘違いではいけないのです。

そうして
本当の満足を得られたとすると
次の瞬間には
居着いているのです。





歩み続けることがこれ程までに大変なのかと
気がついてしまったので

プロフェッショナルになるには
まだまだ時間がかかりそうです。