井上 雄 「トレーナーとは?」その2

少し話が逸れるかもしれませんがマイクタイソンというボクシング選手はご存知でしょうか?



タイソンの幼少期は傷害・暴行・強盗などで50回以上逮捕されるぐらいの不良少年でした。

当時の少年院では更生プログラムとしてボクシングがあり、そこでトレーナーをしていたカス・ダマトと出会ったことでタイソンの人生が大きく変わりました。


黒人差別の強かった時代でもあり黒人のタイソンは白人のカスダマトに対して心を開きませんでした。

カス・ダマトはボクシングの指導はもちろん、ボクシングを通して人生や社会、心の在り方などをタイソンに伝えていくことで、タイソンはやがてだんだんと心を開きました。


カスダマトは両親がいなかったタイソンの身元引受人になり、タイソンとカスダマトとの間には家族と同じくらいの強い信頼が生まれました。

そして世界の頂点立ちました。


トレーナーとしてカスダマトはタイソンの人生において多大な影響を与えました。




カスダマトを例にとると大きすぎますが、


トレーナーとは1人の人間としっかりと向かい会い、トレーニングを通してクライアントの身体が変わり、それと共に心も変わっていくプロセスに自分も立ち会えることができるという仕事です。


それはトレーニング一つでその方の人生そのものが大きく変わるという責任の重さでもありますが、


そこがトレーナーとしてのやりがいでもあり、素晴らしい仕事なのだと思っています。


そしてこの仕事を生涯通して全うしていきたいと思っています。





「モノを欲しがり過ぎてはいけない。堕落はそこから始まるのだ。車が欲しいと思う、洒落た家にピアノも欲しいと思う、思ったが最後、したくない事までやり始める事になる。たかがモノのためにだ」



「勇者と臆病者は、恐怖心にどう対処するかで違ってくるのだ。英雄だって、皆と同じように怯えている。だが、臆病者は逃げてしまうが英雄は逃げたりしない。最後までやり遂げようとする自制心を持っている。つまり、最後までやり遂げるかやり遂げないかで、人は英雄にも臆病者にもなるのだ」



カス・ダマト